【ドイツビールの世界】ヴァイスビール(ビアスタイル)
- 2020.11.12
- テーマ研究: ドイツビール文化 ドイツ ビール
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バイエルン名物 ヴァイスビア(白・小麦ビール) を紹介
ヴァイスビールの特徴
Weissbier(ヴァイスビア)
Weizenbier(ヴァイツェンビア)と呼ばれます。
バイエルン州の典型的なビアスタイル 上面発酵のエールビール
(日本語でいう白ビール、小麦ビールの分類)
小麦と大麦麦芽で作られる
※ドイツでは最低でも50%の小麦麦芽を使用することが義務づけられています。
バイエルン地方ではヴァイスビア、それ以外の地方でヴァイツェンビアと呼ばれます。
ヴァイスビアの特徴
●上面発酵
●アルコール度数が5%前後
●炭酸が強い
●泡立ちがよくクリーミー
●バナナやマンゴー、クローブのような甘いフルーツ香
●ホップは控えめで苦味がすくない
ヴァイスビールの種類
Hefe Weissbier (ヘーフェヴァイスビア)
・・・無濾過の濁りがあるヴァイスビール
Dunkeles Weissbier(ドュンケレスヴァイスビア)
・・・色の濃い麦芽でつくられた無濾過のヴァイスビール
Kristall Weissbier(クリスタルヴァイスビア)
・・・濾過されたヴァイスビール、濁りがない
Weissbier Bock(ヴァイスビア ボック)
・・・小麦モルトも使用したボックビール、麦汁エキス濃度が濃くアルコール度も高い
Weissbier ヴァイスビアの歴史
穀類の麦芽が原料となるビール。
ドイツでも小麦を使ったビール醸造は古くから行われてきました。
そして”上面発酵の技術”やその技術をつかったヴァイスビールはもともとボヘミア(現在のチェコ西部・中部地方)からオーバーバイエルンに来たといわれています。
そんなバイエルンの州のヴァイスビールは歴史の中で、当時のバイエルン王ヴィッテルスバッハ家に醸造販売権を独占されている時代がありました。
1516年バイエルン公のヴィルヘルム4世の発令した『バイエルンビール純粋令』により、当時のバイエルンでビール醸造に使用できるのは「大麦・ホップ・水のみ」と制限されました。
当時ホップの代わりに体に害のある植物が混ぜられることのあったビールの品質を守ることを目的としただけでなく、麦芽を大麦に制限し大事な食糧源であるパンの材料”小麦”の供給を確保するためでもありました。
(公布以前から小麦の使用を禁止しているところもすでにありました)
しかし30年もたつと、ニーダーバイエルンの宮内官の貴族 デーゲンベルガー に功績の評価として北バイエルンでのヴァイスビールの醸造と販売の特権が与えられます。彼はニーダーバイエルンに3つの醸造所を構え重要な収入となっていきました。
また、1586年にもドナウ川沿いにあるヴィンツァーの醸造所にもヴァイスビール販売・醸造件を与えます。
しかし、1602年デーゲンベルガー家男性の男性後継ぎが絶えたことにより、マキシミリアン4世のひ孫マキシミリアン1世がそのヴァイスビールの醸造販売権を引き継ぐこととなりました。
翌年、ヴィンツァーの城と市場を買い取ることによって、バイエルン公マキシミリアン1世はヴァイスビールの独占権をヴィッテルスバッハ家のものとしたのです。 これは当時人気だったヴァイスビールの収入を自らのものにするためでした。(バイエルンビール純粋令で小麦麦芽を禁止としたのはこれが目的だったともいわれています。)
ヴァイスビールの需要はどんどん上がり、1607年には、ミュンヘンにヴァイスビール専門のWeißes Hofbräuの創設が始まります。
これが現在世界でも有名な、ミュンヘンのホーフブロイハウスです。
ヴァイスビールは宮廷、いわゆる身分の高い人たちのビールとして人気でした。
しかし18世紀半ばになると、色の濃いビールのクオリティーも上がったことからヴァイスビールの消費も下がっていきます。
そこで18世紀後半、ヴァイスビールの醸造が一般に許されるようになりました。
そして約200年続いたヴィッテルスバッハ家の独占権は終わることなりました。
1960年代初頭までヴァイスビールの人気は低迷したまま、バイエルン州で醸造されるビールのうち3%ほどにしかありませんでした。その当時はヘレス クリスタルヴァイツェンのみ醸造されていました、いわゆる濾過された酵母の濁りなしビールです。
現在では、バイエルン州での醸造の35%ほどを占めバイエルンといえばヴァイスビールというように、特に若い世代からの人気も増え、ヘーフェヴァイツェンや色の濃いデュンケルが好んで飲まれてます。
ちなみに、2000年以降アルコールフリービールの人気が上昇しています。
アルコールフリーはとくにここ数年でポピュラーになりになり、バイエルンで大きな成長を見せているそうです。
栄養価が高いがカロリーは控えめでやスポーツ愛好家、健康志向、運転する人などのに需要があるんだそう。
ヴァイスビールグラス形の理由と乾杯方法
ヴァイスビールグラスの特徴は
背が高く底にいくにつれて細くなっていく、底の部分だけが厚くなっていることです。
上の部分が広くなっているのはクリミーな泡で蓋をして、そしてくびれ部分も折角の炭酸が逃げずらいように考えられています。
グラス底から上に登る炭酸がスパークリングワインを思い起せることからクリスタルヴァイツェンはシャンパンヴァイツェンと呼ばれることがあるそうです。
乾杯は、上の写真のようにグラスの飲み口の方ではなく 厚くなっている底の部分を合わせます。
Prost!
ヴァイスビア正しい注ぎ方
とても泡立ちやすく、クリスタルヴァイツェン以外はボトルの底に濾過されなかった酵母たちがたまっています。
ビールに泡ができるのは、炭酸とモルトに含まれるプロテインによるもの。
また、ヴァイスビアに含まれる小麦麦芽は大麦バクがよりプロテインがおおいことから泡がたちやすいのです。 他のビールと比べて泡もちもいいので上手にグラスに注げると気持ちもうれしくなりますね。
おいしくヴァイスビールを飲むために、おいしい注ぎ方でグラスに注ぐのも大事ということで、過去の記事を紹介します。
【知らなきゃ損】ヴァイスビールの正しい注ぎ方講座!
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【ドイツビール事情】ビール大国ドイツビールスタイル・分類一覧表
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