【ビールうんちく】醸造所の看板にあるビールの星にはこんな意味が

【ビールうんちく】醸造所の看板にあるビールの星にはこんな意味が

南ドイツで探してみよう!ビール醸造家の星

Biersterne

このマークは、Braurstern(ブラウアーシュテルン)/
Braustern(ブラウシュテルン) ⇨ビール醸造(家)の星
や Bierstern(ビアシュテルン)⇨ビールの星と呼ばれます。
ドイツ語のStern とは英語で言うStar「星」を意味します。

2つの三角形をかさねた、ヘキサグラムどこかで見た覚えがありますよね。
ユダヤ教やユダヤ人を表すダビデの星として一般的には知られています。

バンベルクやフランケン地方のレストランの看板なんかで見かけることもあり、
別の地域から来た友人らにこのマークについて質問されることがよくあります。

Brauerstern(ブラウアーシュテルン)

Brauer=ビール醸造者
その名の通り中世の醸造家と麦芽製造業者のツンフトのマークでした。

Mittelalter Bier Brauen

Photo: Wikipedia.de

また、フレッシュなビールが飲める店の印、ビールを提供する醸造所や
酒場の看板としての役割を果たしていました。

中世では、読み書きができない人も多かったため、このマークを目印に
ビールを飲みにやって来ました。

Mahrsbraeu Gaststaette

ヘキサグラムには魔術的、神秘的な力があるとも言われています。
このビールの星にはどんな意味があるのでしょうか。

ビールの星の意味とは?

上下に重なった三角形
一つの三角には、ビール醸造に必要な要素(エレメント)火、水、空気
もう一方の三角には、中世から知られていたビールの材料である
水、麦芽(モルト)ホップが象徴されています。
(現在のドイツビールの材料には酵母が含まれ、ビール純粋令にも表記
されているが、当時は発酵の際の酵母の意義は知られていなかったのです。)

どうしてヘキサグラムがビール醸造のシンボルに?

Oktoberfesttipp1

なぜ、ビール醸造家のシンボルとして使われたのでしょうか。
調べた中にはいくつか説がありました。

1. 中世ではヘキサグラムが不運や悪魔、火災から防ぐ守護シンボルとして
使われていました。醸造所や麦芽工場ではひどい被害をもたらす火災が
繰り返し起きていたためこのマークをお守りとして使ったと言われている

2. 錬金術の間では、ヘキサグラムは対象的元素の水と火を組み合わせたも
のと考えられており、そこからビール醸造に必要な火と水表現したとの言われ。
先端が上を向いた三角形は火、下を向いているのが水を表している。

ブラウアーシュテルンは南ドイツで広まったもので、フランケン地方や
オーバープファルツ地方 で未だに目にすることがあります。

フランケン地方の村ではなど、Zum Stern(ツム シュテルン)という名前の飲食店や
飲み屋をよく見かけるそうです。
この名前も、Stern(星)を目印として使われていた醸造の星に由来しているわけですね。

ビールの星こんなところで見つけたよ!

バンベルクで一番古い飲食店
Zum Sternla

 

わたしの住んでいるバンベルクやバイエルンの一部では、醸造所やビールレストラン
の看板に未だに使用されていますよ。

1536年創業のBrauerei Spezial

Spezial-Brauerstern

1405年創業 Schlenkerla

Bierschilder

ヴュルツブルクのHofbraeuやBrauerei Gebrüdern Maiselがビールの星をロゴに使っています。

Würzburger HofbräuMAISEL_Logo

南ドイツの飲食店でこのマークを見つけたら、歴史あるビール醸造所や酒場のシンボル
だと思い出してください。