【ドイツビールの世界】ツヴィッケルビール・ケラービール(ビアスタイル紹介)
- 2020.12.03
- テーマ研究: ドイツビール文化 ビール
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無濾過”自然の濁り”のうまみ、Zwickelbierツヴィッケルビールを紹介
ツヴィッケルビールの特徴
Zwickelbier ツヴィッケルビア、 Zwicklbier ツヴィックル
別名: Kellerbierケラービア
※Ungespundet ウンゲシュプンデット(バンベルクやその周辺)
特徴
● 無濾過で濁りのあるビール
● 炭酸が少なめ
● ケラービールとして伝統的にフランケン地方でよく飲まれる
ツヴィッケルビールの一番の特徴は、濾過されていないので、ホップや酵母、モルトなどが残っている ことです。
色: 琥珀色が一般的
口当たりがよく飲みやすい
芳香な酵母の味わい
ノンフィルターでビールに濁り成分が残っており、フィルターされたビールより栄養価も高い
ほとんどが下面発酵でへレス(淡い色: といっても一般のビールよりは色は濃い目) ですが、ヴァイスビールのツヴィッケルや上面発酵のエールスタイル、ツヴィッケルピルス、色の濃いドュンケルなどさまざまです。比較的飲みやすいのに旨味がありホップもいい感じで効いているので、私の中でナンバーワンのドイツビールです。
最近では、日本にも流通があるようですね。
ツビッケルビール名前の由来
名前の由来となるのが、ビール貯蔵タンクについた「Zwickelhahn(ツヴィッケルハーン)」という蛇口。
醸造家が貯蔵タンクの中のからそろそろ樽や瓶詰めできるかビールをチェックする際にツヴィッケルハーンからビールを試飲します。(本来ビール醸造の工程ではその後、酵母やにごりの原因となるたんぱく質が濾過されます。)
ビール醸造家がツヴィケルハーンから試飲していたビールから来ていて、濾過処理されず醸造所の貯蔵タンクからそのまま引かれてくるビールのことでした。
ケラービールに関しても、”Keller(ケラー=セラー、貯蔵室)から直接引かれてきているビール”から来ています。
フランケン地方でよく見るウンゲシュプンデット
ウンゲシュプンデットという表記はフランケン地方でよく見ることがあります。 伝統的にはケラービールはウンゲシュプンデットビールです。
そもそもは、シュプンドという木製ビール樽の上部の穴を閉める木でできた栓のことを指します。昔は木製樽に入れてビールが貯蔵されていました。
木製樽の中でビールが発酵することにより炭酸が発生しいずれ圧力で樽が壊れてしまわないよう、時期をみはからって シュプンド(木製の栓)を抜いて炭酸がぬけていくような方法がとられていました。栓による圧力の無いビールをUngespundetウンゲシュプンデットと呼び、以上の理由から炭酸が少なめのビールとなっています。(unは英語でいうan否定を意味します。日本語直訳で栓のされていないビールとなります。)
ドイツには、ツヴィッケル/ケラービール/ウンゲシュプンデットだけでも数えきれないくらいの銘柄があります。
ドイツに来る際にはぜひ試してみてくださいね。
他、過去の記事でドイツで飲めるビールを紹介しています。
【ドイツビール事情】ビール大国ドイツビールスタイル・分類一覧表
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